黒部は桜の宝庫
太陽の守: 黒部には、珍しい桜も結構あるの。
市姫: コラーレに、黄色や緑のサクラがあるって聞いたことがありますぅ。
じぃ: 姫さま、よくご存じで。
太陽の守: 黄色い桜はウコン【鬱金】、緑の桜はギョイコウ【御衣黄】というのじゃ。どちらも遅咲きの桜で、色が違うせいか、桜と気づかれぬこともあるようじゃ。
じぃ: さすが、殿。お詳しいですな。
太陽の守: 黒部では、早咲きの桜から遅咲きの桜まで、だいたい2か月ぐらいのあいだ、桜を見ることができるのじゃ。
市姫: すごいですぅ。
太陽の守: 標高の高いところでは、同じ種類でも時期がずれて咲くこともある。さらに言うと、秋から咲き始めるシキザクラ【四季桜】や、コブクザクラ【子福桜】のような品種もあって、1年を通して考えると、9~10か月にわたって黒部のどこかで桜が咲いているということもできるのじゃ。
新種の桜が続々
コシノフユザクラ
じぃ: 数年前に見つかった新種の桜が黒部でも見られるそうですな。
太陽の守: コシノフユザクラ【越の冬桜】のことであるな。富山では、最近、新しい品種がいつくか見つかって話題になっておる。
じぃ: 富山には、桜の博士がいらっしゃいますから。
市姫: そうなの?
太陽の守: 富山県中央植物園の大原隆明先生じゃ。大原先生を中心に、富山では「さくら守」がたくさんいらっしゃる。富山で新種の発見が続いているのも、桜の違いが分かる人たちが、いろんなサクラを調べてくれているからじゃな。
じぃ: 「とやまさくら守の会」の方々によって、コシノフユザクラ【越の冬桜】をはじめとして、ヒミクヅロキクザクラ【氷見久津呂菊桜】、ツルギキクザクラ【剱菊桜】、タカオカコシノヒガン【高岡越の彼岸】、最近では、ジョウキョウジテマリザクラ【浄教寺手鞠桜】などが見つかっております。
太陽の守: ただ他と違うというだけではなくて、登録するだけの価値があるということじゃ。やっぱり、きれいなサクラは名前を付けて増やしていく取り組みをせねばなるまい。
おすすめの桜スポットは?
市姫: わたくしはやっぱり、宮野山の桜が一番だと思うがですぅ。
太陽の守: 市は、にぎやかなのが好きじゃからのう。
じぃ: 城下には、いろんなタイプのお花見スポットがありますから、それぞれに楽しめますな。
太陽の守: 1本で見ごたえがあるといえば、明日(あけび)の大桜がある。明日(あけび)の法福寺にある大桜は、エドヒガン【江戸彼岸】じゃ。
じぃ: 鶏野神社の「月訪(つきとい)の桜」もエドヒガン【江戸彼岸】でしたな。桜井高校のグラウンドのまわりには、8種類の桜があって順番に見ごろになりますし、桜井中学校のまわりもきれいながです。黒部川の権蔵橋のあたりにある若栗の桜堤もなかなかよいですぞ。
太陽の守: 穴場をこっそり教えるとすれば、黒部川治水公園や、音沢地区公園かの。
じぃ: 新川牧場やコラーレには、若いサクラの木がたくさん植えられております。いろいろな種類のサクラがありますから、何十年後かには「桜の園」になって、いっせいに咲くソメイヨシノ【染井吉野】とはまた違って、色もさまざま、咲く時期もさまざまなサクラを楽しむことができるようになりそうです。
市姫: ・・・じぃ、そのころには、ひとりで山を登れぬのではないか?( ̄ー ̄)
太陽の守: そうなれば、城で留守番するしかないであろう。
市姫: ざーんねんじゃ。
じぃ: なにをおっしゃいます! じぃがしっかり案内してさしあげます!
太陽の守: そう怒るでない。まだ先の話ではないか。
市姫: とりあえず、今年の花見はじぃを頼りにしとるからね♪
じぃ: (>_<。) いつもながらのひどい仕打ち・・・。でも、負けませぬ! 今年はこの黒部の地で、「全国さくらシンポジウム」も開催されます。黒部を訪れる多くの方々に、桜を楽しんでいってもらいたいですなあ。