富山 黒部の観光情報サイト「黒部藩」

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富山・黒部・宇奈月・魚津・入善・朝日の観光 旅の見所

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親鸞聖人と黒部の縁を、800年にわたり伝える辻徳法寺

「光り輝く人」に出会ったご先祖様

辻徳法寺と親鸞聖人三十五歳お旅立ち草鞋掛けの尊像

北陸新幹線が開業して約1年、黒部を訪れる人がたくさん増えとるがですって。うれしいちゃね!
歴史をさかのぼると、源義経、上杉謙信、松尾芭蕉といったビッグネームな人物が黒部に足跡を残しておられますが、浄土真宗を開いた親鸞聖人もそのお一人。今回は、黒部市三日市の辻徳法寺(辻祐岳住職)に伝わる、聖人ゆかりのエピソードや品々について伺ってきたがです♪
案内してくださったがは、副住職の辻哲弘さんです。
「鎌倉時代、親鸞聖人は若き日々を比叡山で修行されたのですが、救いの道を得られず、山を降りて法然上人の御弟子となられます。しかし、その教えが朝廷から禁じられ、法然上人は土佐へ、親鸞聖人は越後へと流罪になりました。聖人一行は京都からの道中、三日市に立ち寄られ宿を探すことに。疲れた聖人は石に腰掛け休まれていました。」
当時、この石の辺りは辻さんのご先祖・辻源左衛門時国の屋敷で、光り輝く聖人の御姿を見た源左衛門さんは、一夜の宿を貸すことを申し出たがだそうです。
「聖人の念仏の教えにふれた源左衛門は、すぐさまお弟子になられました。翌日、お別れを惜しむ源左衛門のために聖人が『十字名号』を書き残され、それが当寺のご本尊になっています。」
源左衛門さんは「辻道場」を開き、念仏の教えを地域の人々に広めました。(道場:お寺の初期のかたちのこと)その後、江戸時代に現在の「辻徳法寺」となるがですけど、寺号に苗字がついているのは全国的にも大変珍しいがですって。辻という一字に、庶民のための道場だったという誇りが込められとるがですね。

副住職の辻哲弘さんに聖人ゆかりのエピソードや品々についてのお話をお聞きしました。
親鸞聖人 御腰掛けの石
親鸞聖人直筆「十字名号」

真宗王国とやまの原点を体感

黒部市指定文化財「三本柿」

お寺の宝物めぐりは、まだまだ続くがです。
「同じ夜、近くに住むおばあさんもふすま越しに聖人のお話に耳を傾けていました。その話に感動したおばあさん。翌日、出立する聖人を自宅に招き、串柿を差し上げました。その美味をとても喜ばれた聖人は、種を3粒、囲炉裏で半焼きにしていかれました。するとそこから3本の柿の木が育ったのです。そのうちの1本を移植したのが、『御腰掛けの石』の横にある『三本柿』です。」
1本なのに三本柿とは、そういう由来やったがですね。この柿の種には、今でも聖人が蒔いた種と同じ黒いまだら模様が現れるそう。不思議ながです…。ちなみに「三本柿」は、黒部市の文化財にも指定されとるがですよ!
「三本のうち1本は、江戸時代に風折してしまったのですが、その柿の木で彫刻された聖人の木像が当寺にまつられています。三日市の人々が、どれほど聖人とのご縁を大事に思っていたかが分かりますね。」
お話を聞いているうちに、歴史の教科書でしか知らなかった人がとても身近に感じられてきました。富山に浄土真宗が一気に広まるのは、室町時代の蓮如(れんにょ)上人以降ながですけど、その原点のひとつが黒部にあったがですね。親鸞聖人と地元の人々との出会いは、たった一晩…けれど、そのきずなが現在まで800年間も大切に守り伝えられていることに、何だか胸が熱くなるがです。

境内の聖人像の側にある数珠掛け桜

聖人が数珠をお掛けになったところ、その数珠のように鈴なりに花を咲かせるようになったそうじゃ。美しい八重桜じゃのぉ!

「まちの駅」としても気軽に立ち寄ってね!

「お寺は、もともと人々が交流する地域のサロンでした。今の時代にもそのにぎわいを作り出したいと、家族で試行錯誤しています(笑)」
と、明るく語る哲弘さん。辻徳法寺さんでは、お母様の順子さんと奥様の栄子さん手作りの精進料理と、肩のこらない法話をセットにした「精進カフェ」(年2回)や、まちおこしイベントなどの企画に積極的に取り組んでおられます。また、無料で休憩できるまちの案内所「まちの駅」のネットワークにも参加しとられます。
お寺というと、敷居が高そうなイメージがあったりするがですけど、そんな風に気にせず、黒部のまち歩きの折には気軽に門をくぐってみたってくださいね!

精進カフェの様子

精進料理って、健康にもよさそう!私も食べにいかんながです!!

所在地 富山県黒部市三日市3214
TEL 0765-52-0791
●富山地方鉄道電鉄黒部駅より徒歩で3分

(2016年2月29日)