富山県東部を流れる黒部川は流域の人々の生活や、歴史を語る上で欠かせない川。日本でも有数の広大な扇状地を形成し、扇状地内で自噴する地下水が名水百選に選ばれるなど、黒部の名水は地元自慢のひとつながです！この水は飲料水としてはもちろん、工業用水やおいしいお米を作るための農業用水としても利用されとるがですよ。また、黒部川上流の激流を眺めながら、断崖絶壁をトロッコ電車に乗って走り抜ける黒部峡谷鉄道も、毎年多くの観光客が訪れるお勧めの観光スポットながです。
今は堤防がつくられたり、河川敷に公園がつくられたりして一見穏やかに流れる黒部川やけど、古くは四十八ヶ瀬と呼ばれ、扇状地を縦横無尽に流れる暴れ川やったがで橋を架けるのも大変だったがですって！特に、3,000ｍ級の山々に囲まれ激流が流れる上流部は、秘境として知られ人が足を踏み入れることはほとんどなかったがです…。
そんな黒部川に注目が集まったのが、エネルギーの需要が急激に高まった大正時代。水量が豊富で急勾配の黒部川は、水力発電にぴったりやったがですね。秘境黒部の電源開発調査が始まってから約100年、黒部川には多くのダムや発電所がつくられて、現在では日本有数の「電源河川」と、なっとるがです！！

黒部川電気記念館は、黒部峡谷鉄道宇奈月駅の斜め向かいにある異国情緒あふれるかわいらしい建物。昭和62年（1987）にオープンして以来、100年の歳月をかけて開発されてきた黒部川電源開発の歴史と、それに携わった人々を紹介する博物館として、地元の人はもちろん観光客も多く訪れる場所ながです。覆いかぶさってくるかと思うほどに近い山並みと、大正ロマンの雰囲気をかもしだす建物が絶妙にマッチしとるがです。入り口横に展示してある小型の機関車は、資材や人を運ぶために大正15年（1926）から廃車となるまで半世紀以上に亘って実際に現場で活躍した電気機関車。今は静かに宇奈月温泉街にくる人を出迎えてくれとるがですよ。
成24年（2012）３月に、電気記念館はレトロな外観を残しつつ、内装の設備が大幅にリニューアルされ、様々な角度からとらえた黒部川と水力発電について最新の技術を使った体験型展示で学ぶことができるようになったがです。

館内に入ってまず目を引くのが丸いプールのようなコーナー。これは水のテーマシアターで、水面に作りだした細かい泡と、水の流れをスクリーンにして黒部川や発電所の映像を紹介。泡が消えると、底に設置されている黒部川第四発電所（黒四）で使われている3.3メートルの実物大の水車がみえるがですよ。さらに奥のコーナーには12人乗りのトロッコ電車型のシアターがあり、子供から大人まで大人気。まるでトロッコに乗っているかのように黒部峡谷の美しい映像を模型に乗って見ることができるがです。また、過酷な黒四建設工事のなかでも特に大変やった「大町トンネル」の作業現場をイメージしたトンネルもあって、削岩機を握ると迫力のある音と映像で難工事の様子を体験することができるがですよ！！様々な体験型の展示物のほかにも、休憩スペースでは黒部ダムのライブ映像が流れており、ダムの様子をリアルタイムで見れるがです。
黒部川と電源開発について知れば、黒部峡谷をもっと好きになれると思うがです！個人でも団体でも入館は無料なうえ、トイレや休憩スペースも完備しとるがで、休憩がてら気軽に寄ってみるがもおススメ♪(^m^*) これからの紅葉シーズン、宇奈月に来られた際にはぜひ立ち寄ったってくださーい☆