「高品質のファスナーを安定して提供するには、ファスナーに適した材料を原料からつくるべきだ」という考えから、YKKでは製品だけでなく、金属や糸などの材料やファスナーを作る機械も自社で生産しています。世界70か国以上にあるYKKの工場には同じ機械が配備され、独自の技術で「世界のYKK」へと成長しました。
製造機械も自社でつくり、原材料にも工程にも、すみずみまでYKKの精神を行きわたらせるのは、簡単なことではありませんが、品質に対する強いこだわりの表れなのでしょう。
かつてYKKがアメリカに進出したとき、ジーンズ会社にファスナーと一緒に縫製機械も提案したところ、半分以下の人数での生産体制を実現し、一気にYKKのシェアが高まったという逸話があります。また、「ほかのところはボタンや生地も扱っている。YKKはファスナーしかないのか。」と言われ、ファスナー以外の関連品も生産するようになりました。
丸屋根展示館では、これらのエピソードをはじめ、お客様の困りごとを解決してきたYKKの軌跡を見ることができます。ひとつひとつが会社の財産となり、世界のYKKとなっていることがわかります。

展示室をまわっていくと、「ファスナー手作り体験」のコーナーを発見しました。やってみたい！ということでさっそく申し込み。係のお姉さんが説明してくれます。好きな色のテープを選んで、植え付け作業スタートです。
向きを間違えないように・・・。こんなに小さな物を手作業で拾っていくのは、大変です。説明を聞いたときは何てことない気がしましたが、実際にやってみるとうまくできません。不器用な手がうらめしい。昔の人はこの作業を一日中されていたのですね・・・。気が遠くなります。
時間はかかりましたが、ようやく全部の溝に務歯（ムシ）がはまりました。大きなハンドルの装置で押さえ、固定します。スライダー（引き手）と、キーホルダー用のチェーンを付けてもらって完成！ 苦労したぶん、できあがった感動もひとしおです。

【ファスナー手作り体験】
開催場所：YKKセンターパーク 丸屋根展示館
開始時間：11:00、15:00
料金：1回　500円（要事前申込）
所要時間：約40分
対象者：小学生以上

手作りフェスナーも出来上がって満足したところで、最後は、「カフェ・ボンフェーノ」へ。見学後、ゆっくり休憩できるコーヒー・ラウンジです。
このカフェのコーヒー豆は、YKKブラジル農園からの直輸入。ブラジルコーヒーの代表的な品種である「ムンド・ノーボ」を、自家農園で大切に育て、完熟の大きい豆だけを厳選します（もちろん大きい豆のほうが高品質なのです）。
カウンターでメニューを見てみますが、これまで豆にこだわったこともなく、無難に「今日のおすすめ」を選択。いつも軽めのコーヒーばかり飲んでいたので、ここのコーヒーを飲むと、「コーヒーって本当はこんな飲みものだったんだ！」と思うほどの衝撃がありました。
ガラスの向こうには、芝生の広場とふるさとの森を眺めることができ、さらに遠くに目をやると、雄大な北アルプスの峰々。落ち着いた雰囲気と眺めの良さ、そしておいしいコーヒーが飲めるとあって、センターパークを訪れる方々にも人気の場所です。