※2015.09.11追記
2015.4月のYKKセンターパークのリニューアルに伴い、展示など一部内容が異なることがございます。ご了承ください。
創業者の熱い思いを知る。
次に、おとなりの「吉田忠雄記念室」へ。ここは、YKKの創業者である吉田忠雄氏の偉業を紹介する展示室になっています。
忠雄氏は、1934年にYKKの前身である「サンエス商会」をつくり、ファスナーの販売を始めました。その頃、日本のファスナーはほとんどが手作りで不良品も多かったため、自社での生産に切り替え、社名も「吉田工業所」に変更。品質の良いファスナーづくりに励みました。
終戦後、アメリカ製ファスナーの品質の高さに衝撃を受けた忠雄氏は、1950年にファスナーの噛み合う部分(務歯)を自動的に取り付ける機械を日本で初めて輸入し、量産体制を整えていきました。当時とすれば大きな投資でしたが、これが世界企業として躍進するきっかけとなったのです。記念室には、このときの初代チェーンマシンが展示してあります。大人の背丈ぐらいの機械で、そんなに大きくはないのですが、ファスナーづくりにかける創業者の熱い思いを知って、感慨もひとしおです。
創業者の理念「善の巡環」。
「善の巡環」というのは、吉田忠雄氏の理念であり、哲学であり、現在もYKKグループの規範として掲げられている言葉です。吉田忠雄記念室でも、大きなテーマとして取り上げられていました。
努力して創意工夫をこらし、他人の利益を図れば、それが巡りめぐって自分に戻ってくる。社会への貢献が、結局自らの繁栄につながる、という考え方で、忠雄氏が鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの伝記を読んで、考え出した言葉(造語)だそうです。
新しいアイディアを生み出すのも、コストを落とすのも、自分の(会社の)目先の利益のためではなく、お客様や取引先など、周りの人のため。理想としてはわかっていても、なかなか実践できないものですが、忠雄氏はこの信念を貫き、YKKを世界企業へと育て上げていったのです。
忠雄氏は素晴らしい思想を持ち、数々の言葉を残しています。著作物は多くありますが、この記念室では、レアなお宝映像で忠雄氏の実際にお話しされる姿を見ることができます。
やはり、これだけのことを成し遂げた人物の言葉には、重みがありますなぁ。
25年計画で森づくり進行中。
YKKセンターパークでは、創業100周年を迎える2034年に向けて、豊かな森を再生する取り組みを進めています。
センターパーク内「ふるさとの森」に植えられた20種の木々は、昔から黒部川扇状地に生育していた樹種ばかり。YKK社員のみなさん、地域の方々も参加して、クルミ、ヤブツバキ、シラカシなど、これまでに15,000本が植樹されました。さらに、「さくらの森」には、黒部の自生種であるヤマザクラやエドヒガンなど、14種のサクラが植えられています。
公園内を流れる小川のせせらぎに、心が和みます。2008年に苗木で植樹された木は、まだまだ若く小さいですが、自分の植えた木の成長を見に来られるお客様もいらっしゃるようです。25年後には、みんなで育んだ森が、安らぎと憩いの場になるように祈っています!
※2015.09.11追記
2015.4月のリニューアルに伴い、下記詳細を一部変更いたしました。
【YKKセンターパーク】
TEL 0765-54-8181(黒部ツーリズム株式会社)
休館日 4月~11月/月曜日(祝日の場合はその翌平日)、特定日
12月~3月/土・日・月曜日、特定日
※上記以外の休館もあり。あらかじめご確認ください。
開園時間 9:00~16:30
入園料 無料(団体要事前連絡)
駐車場 20台(バスでお越しの場合は、事前にご連絡ください。)
アクセス
・北陸自動車道 黒部I.C.より車で約15分
・黒部宇奈月温泉より車で約40分
・北陸新幹線 黒部宇奈月温泉駅より車で約17分
・富山地方鉄道 電鉄黒部駅より車で約10分
・あいの風とやま鉄道 黒部駅より車で約10分、生地駅より徒歩で約15分
※黒部宇奈月温泉駅より、YKKセンターパーク線のバスも運行しております。
→黒部 公共交通ホームページへ
ホームページ http://www.ykkcenterpark.jp/
(公開:2010年10月5日 変更:2015年09月11日)