「17歳のコーヒー」新たな展開
現在、イベント出店時にはテイクアウトとドリップバッグ両方の販売をしている「17歳のコーヒー」。テイクアウト用のコーヒー豆は、その日に全て使い切れず半端な量が残ることもあります。生徒さんたちは、残ったコーヒーをそのまま捨てることなく、魚津の和菓子屋・源七さんに持ち込み、コーヒー味の琥珀糖として商品化。他にも、米粉クッキーや寒天アイスなど、「17歳のコーヒー」から新商品を次々と誕生させていったがです。
今ではいろいろなイベントに声がかかり、出店の回数も多くなってきたそう。お店には、これまで部の先輩たちが開発してきた様々な商品が並びます。イベント中に他の出店者さんと会話をする機会もあり、新たな商品の展開につながることもあるがですって。また、このように生徒さんのやりたいことを次々と形にできるのは、安定的な売上があるからこそとのこと。生徒一人ひとりの得意分野を活かし、値段設定や商品のネーミングに意見を出し合い、販路拡大に向けて知恵を絞る日々。商品開発や広報活動、販売活動の数を重ね、ビジネスとしても成長を遂げとられます。
企業からの逆オファー
基本的には生徒さんたちのやりたいことが叶うよう、協力してくれる企業を探して監修を依頼し、商品開発を進めとられます。令和5年(2023)、アントレプレナーシップ教育(起業家教育)の一環で、新川高校の未来探究コースとコミュニティビジネス部がタッグを組み、金沢の「ゴーゴーカレー」監修のもとレトルトカレーを開発しました。商品名やパッケージデザインには新川高校らしさを前面に出し、かなり辛口なカレーをどんな風にPRするかも生徒さんたち自身で考えられたがだそうです。
このような活動が注目され、令和6年(2024)には企業側から逆オファーがあり、地産地消の名店で知られる有名シェフとのコラボカレーの開発が決定。新たな挑戦ですが、生徒さんたちの感覚を大事にし、コミュニティビジネス部らしさを活かして、地元愛にあふれた商品づくりに取り組んでおられます。パッケージデザインや商品名も「学校」の固定概念を崩すような斬新な発想で、手に取る人がつい話題にしたくなるような工夫が凝らされとるがですよ♪
お店を開くことを夢見て
現在は、あいの風とやま鉄道・魚津駅隣のミラマルシェで商品を販売中。「今後は魚津のシャッター街で、アンテナショップのようなお店も開いてみたい。毎日は無理でも毎週土曜は必ず開くとか、そういうのをやってみたい」と楽しそうに話される濱元校長。そのためにはもっと多くの商品を揃えることや、自分たちが動かなくても安定的に商品を販売できる仕組みが必要とのこと。
また、濱元校長は、いつかは本物の企業のように生徒さんたちに給与を与える仕組みを作りたいがだそうで、「新川高校はアルバイトOKなので、生徒に売上から働いた分だけ給与を渡したり、パッケージをデザインしてくれたOG・OBにマージンを払ったり、そんな風にして本格的にビジネスを展開していきたいですね」とおっしゃいます。
まだまだ叶えたい夢があるコミュニティビジネス部。取材中も濱元校長と西島くんが、楽しそうに次の商品の展開や、市場調査で感じたことを話し合っておられました。趣味の感覚で好きなことに挑戦し、しっかりとビジネスにつながっていることが分かる今回のお話。ビジネスを展開する上で重要な要素がびっしり詰まっとりました!!
「新川高等学校」
HP:https://niikawa.ed.jp/
(2024年8月30日)