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第50回 達人

地域の魅力を学び、ビジネスの仕組みを学ぶ
新川高等学校コミュニティビジネス部

第50回 達人「地域の魅力を学び、ビジネスの仕組みを学ぶ①」新川高等学校コミュニティビジネス部

コミュニティビジネス部の発足

コミュニティビジネス部 出展の様子

新川高等学校にあるコミュニティビジネス部は平成28年(2016)に誕生しました。当時、PTA広報部の活動で年1回、保護者や学校関係者に配っていた広報誌があったがですけど、その予算を生徒参加型の広報活動に使えないかと話が持ち上がったことがきっかけだったとか。PTA会長を中心に委員会を発足、商品の開発や販売を通じてビジネスの仕組みを学びながら、学校のPRになるような広報活動にも取り組まれました。活動に参加した生徒さんたちにも好評で翌年度も継続することになり、平成29年(2017)からは生徒主体の部活動になったがです。
現在、「地域の魅力を学びながらビジネスの仕組みを学ぶ」というコンセプトのもと、地域のボランティア活動や商品開発のための市場調査、イベントでの商品販売などをされとります。活動日は決まっておらず、強制的な参加義務もないがだそう。生徒さんがやりたい時に活動し、イベント出店の際などは自分たちでシフト調整をする部活動。部の顧問でもある濱元校長は「強制はせず、生徒が楽しく主体的にビジネスを学んでいくので“働き方改革”にもなる」とおっしゃいます。

高校生が開発した「17歳のコーヒー」

発足して最初の年、まずは10月に行われる魚津産業フェア「まるまる魚津」で何か出店をしてみようという話になり、生徒たちの発案で喫茶店を開く準備を始められました。クレープやジュースなど生徒さんが考えるメニューにはコーヒーが入っておらず、大人の感覚で疑問に思われた濱元先生が生徒さんに理由を尋ねたところ、「コーヒーは苦いし臭いし、あまり好きじゃないから」との答え。そこから、「じゃあ生徒たちが思ういい香りで飲みたくなるコーヒーをつくってみよう」という話になり、魚津市のコーヒーショップ・セントベリーさんご協力のもと、ブレンドコーヒーの商品開発が始まったがです!
まず、喫茶店で出すコーヒーに合う水を選ぶために、富山県内各地の水の飲み比べを開始。その中でも魚津の水が豆本来の味を引き出したということで、地元魚津の水を使用することになりました。さらに、夏休みにはコーヒー豆の組み合わせを何種類も試作。選んだ豆の中にはあまりブレンドには使わない豆もあったがだそうですが、生徒たちの感覚を優先し、調整を繰り返し、生徒たちが納得のいくオリジナルブレンドコーヒーが開発されました。こうして生まれた初の開発商品「17歳のコーヒー」は、まるまる魚津で大人気になり、たくさんの人に喜ばれたがです。

コーヒーの商品開発の様子
高校生の感覚によって、フルーティーで苦みが少ない後味スッキリな新しいコーヒーが生まれたのう!

失敗からビジネスを学ぶ

部活動とは言え、実際に商品開発や販売をしていると、商売の難しさに直面することもあったがだそう。魚津の米騒動を題材にした米粉つけ麺を開発した際は、賞味期限が3か月の半生麺を仕入れたがですけど、製造の都合上、1度の発注で500玉を仕入れることに。結果、賞味期限ギリギリにならないように早めに販売しなければならず、販売できなければ廃棄ロスになるかも、とヒヤヒヤしながらの日々だったがですって。それからは賞味期限の長い食品や、食品以外の商品に着目されるようになりました。
次に開発したのは、「なめんな 新川高校」と辛口の表現でパンチを効かせた缶バッジ。しかし、その缶バッジは1個も売れないという悲劇が…。「商品を売るにはストーリーが大事ということを学んだ」と濱元校長はおっしゃいます。
このような苦い経験も踏まえて、令和元年(2019)には魚津の特産品であるりんごを使用した瓶詰めのりんごバターを開発。りんご農家さんから店頭に並ばない規格外のりんごを仕入れ、現代社会で重要視されるエシカルな要素も取り入れたとのこと。経験と知識が積み重なり、だんだんと本物の企業のような目線での部活動に変化してかれました。