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第39回 達人

「地域を元気にするビジネスで、魚津の未来を創る①」
前田久則さん

魚津市役所 地域資源推進班 副班長

第39回 達人「地域を元気にするビジネスで、魚津の未来を創る①」前田久則さん

郷土の偉人、魚津の三太郎博士

魚津歴史民俗博物館に展示されている魚津三太郎博士の写真

最近、巷では”三太郎”が大人気。昔話の主人公達を、人気俳優さん達がコミカルに演じられとります。実は魚津にも、大正から昭和にかけて世界的に活躍された”三太郎”がおられました。
テレビ発明の先覚者で、テレビジョンの父とも称される川原田政太郎博士。稲の世界的権威でもあり、戦後の農業に発展をもたらせた盛永俊太郎博士。世界中で今なお使われている八木・宇田アンテナの発明を手がけられた宇田新太郎博士。魚津の皆さんは親しみを込めて彼らを「魚津の三太郎博士」と呼んどられます。

魚津歴史民俗博物館に展示されている川原田博士の発明品

そんな三太郎のような人材を平成の世にもと、いま魚津では育成塾が開催されとります。その名もズバリ「魚津三太郎塾」!魚津市と富山大学との共同事業で、魚津の将来を担う企業人や地域リーダーの育成を目的に開催されとります。5期目の今年も、様々な業種の方が魚津を元気にするために頑張っとられるがですよ。
「得意分野を活かして、どういった新規事業を作っていくかを勉強しています。彼らが魚津でどう生きて、どう活躍していくかというところを少しでもヒントなり、一緒に悩めればいいなと思い、やっています」とおっしゃるのは、発足当時から三太郎塾に携わってこられた魚津市役所の前田久則さん。
今回は前田さんに魚津三太郎塾についてお話を伺いしました。

魚津歴史民俗博物館で川原田博士の発明品を見ることができるがです!

魚津三太郎塾の始まり

三太郎塾が始まったキッカケは、今から約8年前。「これからの地域にとって、ためになる事業を考えなさい」と、前田さんを含む市の若手職員達に指令が出されたそうながです。当時、市民の間で悩みの種だったのが雇用の悪化。これに着目した前田さん達は、どうしたら地域に仕事を作れるのか考えました。その結果、今ある地元企業がもっと元気になり、ずっと魚津で頑張ってくれる事が仕事や雇用に繋がるのでは・・・という結論に至ったがです。そしてその為に、企業人の人材育成塾をやってみようという事になり、2年間の準備期間を経て、平成23年(2011年)に「魚津三太郎塾」がスタートしました。
もちろん塾といっても、算数や国語をやる訳ではないがですよ。この塾は、本業に根ざした新しい事業を考える事を最終目的としとられます。とはいえ、新しい事業なんてそう簡単には思いつかんものながですよね。「何事も生み出すのは大変です。特に彼らは本業をやりながらですから・・・」取材でお伺いした日も、塾生の方が前田さんに相談に来られとりました。
「こういうことを市町村でやっているところは少ないと思うんですよ。やっていても業者に任せてやっていたり。でもここでは、非常に泥臭く毎回塾生と一緒に悩みながらやっています。」開講当初から共に悩み、サポートしてくれる前田さんは、もはや塾生にとって頼れる兄貴的な存在。「長く携わっていますが、なかなか代わりの担当者がいなくて。でも、必要とされて、しかも面白い取り組みなのでやりがいがあります」と笑って話される前田さんを見ていると、この塾が続いている理由が分かる気がするがです♪

お話を伺った魚津市役所の前田久則さん