交流が新しいアイディアを生む
「ひとつのことばっかりしとっても、通らない時代になってきた。いろいろなお客さんと付き合うことで、アイディアをもらうことも多い。」村井さんのところには、「こういうことはできませんか?」と、いろいろな依頼が舞い込んできます。幅広い交流のなかから、新しいビジネスにつながることもあるそうです。
最近のいちばんのトピックは、入善町の折谷孝良さん(チェーンソーアート)の作品が、富山県展で新人賞をとったこと。作品と村井さんにどんな関係が・・・? 実は、折谷さんの作った迫力のある「鯉」の作品は、村井さんのところで木材を乾燥させて、出品されていたのです。作品に「割れ」がなかったことは、審査員の方々にも驚かれたらしく、「薪にしようと思っていた木も、こうやって作品になればまた生きる。これもひとつのリサイクルかもしれん。」と、折谷さんの受賞をうれしそうに話してくださいました。
富山土産に「黒部の塩」
村井さんの会社では、富山湾の海洋深層水から「塩」も作っておられます。村井さんいわく、「試しに作ってみて、データをとってみたら、意外といい成分だったから。」天然のミネラルをバランスよく含み、白えびせんべいや昆布茶などの食品工場でも使われたりしているそうです。清浄な海洋深層水からつくる塩は、不純物がなく、真っ白で、「漂白しているんですか?」と尋ねられるほど。(もちろん漂白していません!)
あまり高温で精製すると、結晶が細かくなりすぎるので、低めの温度で煮詰め、脱水し、乾燥させます。「黒部の塩」として、黒部ブランドに認定されているほか、富山県観光連盟の「優良観光土産品」にも選ばれています。
環境配慮型の農業
村井さんは、化学肥料を使わない農業も展開しておられます。炭をつくる機械を製造するなかで、そこからできる炭や木酢液を有効利用する、というのが農業を始めた最初の出発点。食品残さを発酵させたものや、豚ぷんなども土づくりに活用し、毎年の実験によって、ベストな配合、散布時期を見極め、味も向上し、収量も確実に増えてきました。県外からも問い合わせが来るなど、他の農業者の方々にも「ムライ農法」が広がりつつあります。
「やっぱり、特徴のあるものを作らないと。ほかのところと同じことをしとったんでは、ダメ。金かかっても、収穫を増やす。うまいもんを作る。市場にないときに出荷する。そうやって付加価値を付けていかないといけない。」
お庭には、花や果樹がたくさん。取材にお伺いした日は、ちょうどブルーベリーが色づいていて、初物をいただきました。とれたてのブルーベリーは、みずみずしくて、とってもおいしかったです!
「黒部藩米」は、村井さんの田んぼで作っとるが。すっごいおいしいがよ!
【ムライ株式会社】
HP:http://www.kurobe-murai.com/
(2010年6月28日)