とっても甘いお米と野菜
お伺いしたときに、こだわりファーム越の玄米を食べさせてもらいました。
炊いた玄米を、おにぎりぐらいの大きさにして平たくつぶし、香ばしく焼き上げたもの。一口食べてみて「あまい」! よーく噛んでいると、独特の風味が口の中に広がります。「食べてもらえば味の違いがわかる」とおっしゃっていたのにも納得。実際、田んぼでとれるお米は平均収量の半分くらいだそうで、農協には出さず、販売については直接申し込みを受けておられます。収量に限りがあるため、申し込みが多くなると、自分たちの家で食べる分が足りなくなることもあるとか。
甘みが強いのは野菜も同じ。ラディッシュは辛みがなく、タマネギも刻んでそのまま食べられるほどです。キュウリやオクラなど、畑でとって、そのまま食べると、いっそうそのおいしさが分かります。
越さんのところでごちそうになった玄米は、やさしいあまみがあって香ばしくって、と~ってもおいしかったがです!お野菜も新鮮でおいしかったぁ!
農業体験と地域のサポート
こだわりファーム越には、独自の農法を見学に来られる人、実際に農作業を体験していく人も訪れます。野菜づくりをやってみたいという人に、やり方を教え、土や資材を分けてあげることも。
販売する野菜に付けている「生産者カード」の連絡先を見て、「この野菜はどうやって食べたらおいしいですか」と問い合わせてこられるお客様や、「いままで食べていた野菜と全然違う」と言ってこられるお客様もいらっしゃって、クチコミで越さんのファンが広がっています。
欧米では、生産者と消費者が相互の理解と信頼によって農業を支える「CSA(コミュニティ・サポーテッド・アグリカルチャー)」という考え方があります。富山県は水稲の生産は盛んですが、野菜の生産量は全国最下位。生産拡大のためにも、消費者の後押しが欠かせません。誠一さんも何か対策を、という思いを強く持っておられました。
消費者ニーズに対応
誠一さんは、生産者と消費者の顔が見える関係が大事、と強調されます。対面販売をしていると、お客様の声を聞く機会も多く、消費者ニーズの変化にも敏感に対応しておられます。
収穫された野菜は、ご自宅前の無人販売所をはじめ、地元ショッピングセンター「メルシー」内や、コラーレ横の直売所「よらーれ」などで販売されています。ある日、悦子さんが大きいタマネギを並べて売っていたところ、「うちは家族が少ないから、こんなに大きいのだと余ってしまう。もっと小さいものはないですか」というお客様がいらっしゃったそうです。ほかにも、「丸ごと煮込み料理に使いたい」など、小ぶりの野菜を求められることが多く、今では栽培方法を工夫し、小さいものも提供できるようになっています。ただ、「おいしいものを作りました、買ってください」ではなく、消費者が本当に欲しいものを提供することが、本来の「顔の見える関係」の姿なのだと感じました。
【こだわりファーム越】
富山県黒部市若栗2172
TEL 0765-52-1936
(2010年5月26日)