温泉街の豆腐屋さん
やまとやさんが宇奈月温泉にお店を構えたがは大正時代の終わりごろ。賭博場とかおみやげ屋さんとか、いろんな商売をやっとられたんやけど、昭和45年(1970)ごろからは豆腐屋さんとして宇奈月温泉の旅館やホテルに豆腐の卸販売を始められたんよ。
とうふプリンを考案したのは、やまとや四代目の若旦那・山藤綾(りょう)さん。綾さんは料理学校でフランス料理を専攻して、卒業後は西洋料理のお店に勤務。10年ほど前に綾さんが家業を継ぐために帰ってきて間もなく、取引先の旅館の人から「夕食後にはいつもフルーツをお出しするんだけど、ほかに何かいいデザートないかな?」ってアドバイスを求められたんやって。綾さんは洋食が専門だったから、豆腐を使ってプリンを作るって当たり前のように思い浮かんだが。おいしくてヘルシーなプリンは、旅館のお客さんの間で評判になって、平成16年(2004)に黒部ブランドの認定制度ができたのをきっかけに、やまとやさんはとうふプリンを商品化することにしたんやって!
こつこつとシンプルに
「とうふプリン」って言うと、豆腐をすりつぶして作ったプリン?ってよく勘違いされるらしいけど、豆腐じゃなくて豆乳を使って作るんやって。新鮮な豆乳に魚津産の卵、牛乳、生クリーム、砂糖を加えて丁寧に混ぜ合わせてプリンの原液を作るが。豆乳だけだと豆の味しかしないから、おいしく食べてもらうために、卵や牛乳、生クリームの配合をいろいろ試したんやって。ゆるめのカラメルソースを入れた耐熱容器にプリン液を注いで、容器ひとつひとつにラップをかぶせて蓋をしたら、オーブンに入れてやや低温の90度でしばらく蒸すが。オーブンの種類によって火力や性能が違うし、蒸す時間も季節や湿度によって違うから研究に研究を重ねられたがよ。オーブンから出てきたホッカホカのプリン液は、余熱で火が通りすぎないように、すぐさま容器ごと冷水につけて冷やすんやって。粗熱をとり、冷蔵庫に入れて冷やし固めると、黒部名水とうふプリンの完成!
おいしい大豆でスイーツづくり
やまとやさんは富山県産エンレイ大豆しか使わないこだわりの豆腐屋さんなが。エンレイは、粒が大きくて艶(つや)があって、ミネラル成分がバランスよく含まれとる、豆腐づくりに適した大豆。富山県の特産品として、全国的にも評価が高いんよ。
やまとやさんのおからを見ると、砕いた大豆の粒が残っとって、ふつうのおからとは全然違うが。噛みごたえがあって、大豆のうまみが凝縮されとって、このおからがお目当てでお店に来る人も多いんやって。
こだわりの大豆から搾りとった豆乳で作るとうふプリンは、ほんのり黄色みがかっとって、蓋を開けるとやわらかな豆乳の香りが広がるが。とうふプリンって名前だから何となく冷奴の食感を想像しながら口にするとビックリ!なめらかでクリーミーな舌触りはまさしくやわらかプリン。カラメルソースがプリンの味を引き立てるがよ。最初からカラメルソースと混ぜて食べるも良し、上から食べていくのも良し。ぜひ一度、とろけてみて~♪
取材させていただいたお店・品 | とうふ&スイーツのお店 やまとや 黒部名水とうふプリン |
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価格 | 1個 250円 |
TEL | 0765-62-1704 |
住所 | 黒部市宇奈月温泉252-1 |
備考 | 〈営業時間〉 9:00~18:00 〈定休日〉 不定休 ※数に限りがありますので、お電話でのご予約がおすすめです。 宇奈月麦酒館でも販売しています。 |
(2012年5月11日)