豪華!二重のます寿し
富山の「ます寿し」って知っとる? ごはん(酢飯)に鱒(マス)の切り身をのせ、笹の葉にくるんで、曲げ物の容器に入っとるがよ。ずーっと昔から富山の郷土料理だったらしいがやけど、有名になったがは江戸時代、8代将軍徳川吉宗公に献上してから。江戸時代からの伝統って、すごいやろ!
富山にはます寿し専門店がたくさんあって、それぞれに味とかも違うから、みんなひいきの店があるがよ。食べ比べも楽しいがだけど、黒部藩的には、やっぱり植万さんがオススメ!!! 創業は昭和43年(1968)で、黒部では初めてのます寿し屋さんやったが。ふっくらとしたごはん、酢のしめ加減もちょうど良くて、脂ののった鱒の半生っぽい食感が残る絶妙な味のバランスといったらもう!! そのなかでもイチオシは、ごはんの間にさらにもう1枚、鱒が挟んである「花ます」。こんなふうに二重になっとるます寿しは、珍しくてほかでは見られんがよ。
お客様の要望がヒントに
下から順に、ごはん、鱒、ごはん、鱒と2層になっとる「花ます」。2段(2個のます寿しをひとつの入れ物に入れるタイプ)のます寿しはほかのとこにもあるけど、こんなふうにケーキみたいに鱒を間に挟んどるがは珍しいんやって。
花ますの誕生には、こんなエピソードが。今から十数年前、女性の方から「2段」のます寿しの注文があって、通常の2段のものを送ったら、「わたしの思っていた2段のます寿しと違う・・・」って言われたがやって。そこで、ごはんの間に鱒を挟んで作ったます寿しを送ったら、「こんなのが欲しかったの!」って喜んでもらえて、そこからヒントを得て、2層のます寿しを商品化。今では植万さんの人気商品になっとるがよ。
特別女性向けに作られとるわけじゃないがだけど、甘みが増すように散らされとる刻みショウガのアクセントに、ケーキっぽい見た目やかわいいピンク色のパッケージが、女の子のハートをつかんどるみたい。お祝いごとの引出物なんかにもよく使われるがやって。
厳選した素材で味を極める
植万さんのます寿しは、ひとつひとつ手づくり。「うちの味はこれ、と決めて基本は変えない。その中で、最大限お客様が満足できる商品を作る。」という言葉には、職人さんの魂を感じるし、変わらないおいしさで愛され続けとる理由もそこにあるがだと思うが。
毎日のます寿しづくりはごはんを炊くところからスタート。早朝3時半ごろからの作業で、入れ物に笹を敷き、酢飯を詰め、酢に浸した鱒をのせて、笹でくるんでふたをする。たったそれだけながやけど、ごはんと鱒のバランス、酢の加減や、食べるまでの味のなじみ具合まで、細部にわたって気を使っておられるから、あの見事な味わいが生まれるがやね。わたしらも、買ったからにはそれなりに心して食べんなんと思うがよ。ちなみに、つくりたてよりも、半日から1日ぐらい経ったほうが、魚の味がごはんになじんでおいしいがやって。食べごろを外さんことも大事なポイントやよ☆
口に入れたときの「おおっ!」って感じは、実際に食べてみんと分からんが。だからぜひ味はもちろん、ます寿しの香りや色あい、全部まとめて体感してみて!
取材させていただいたお店・品 | 植万 花ます(二重すし) |
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価格 | 花ます(二重すし) 2,000円 |
TEL | 0765-52-0229 |
住所 | 黒部市三日市3646 |
備考 | http://www.ueman.co.jp/ 〈営業時間〉 8:00~18:00 〈定休日〉 年中無休 植万のます寿しは、黒部近隣の駅売店、サービスエリア、道の駅などで販売しています。ホームページからお取り寄せもできます。 |
(2011年12月19日)