温泉街の和菓子屋さん
長年、宇奈月温泉で和菓子屋を営んでこられたつぼやさんながやけど、当初は明治時代に黒部市三日市で創業されたそうなが。その後、大正時代の末期ごろ宇奈月温泉の開湯に合わせて温泉街にお店を構えられたがやって。
現在、90年以上の歴史を受け継ぐのは、四代目の店主・上野岳昭さん。岳昭さんは、高校を卒業してすぐに金沢の和菓子屋へ修行に行かれ、その後2000年春にお店を継がれたそうよ。その当時、和菓子の品揃えがあまりなかったがやけど、一品一品商品を増やしていったがやって。
「今あるお菓子は、お客さんに教わってできたお菓子ばっかりよ」と岳昭さんはおっしゃるが。お客さんの意見を真摯に受け止めて、和菓子作りに活かされとるがいちゃね!
塩加減と甘さの絶妙なバランス
温泉旅行に出かけたなら、絶対に外せないのが温泉まんじゅう!各地ならではの温泉まんじゅうに舌鼓するのは、温泉旅行の楽しみの一つでもあるちゃね! つぼやさんでも、定番の黒糖の生地に黒あんの温泉まんじゅうを販売されていて昔から人気ながですけど、もう一つ、つぼやさんならではの名物「もろみまんじゅう」があるがです。
もろみまんじゅうの誕生は昭和60年頃。「この辺りにないような饅頭を作ってみよう!」と考えられたのがキッカケながやって。過去には、一日で3,000個も売れたことがある人気商品ながよ。
もろみまんじゅうは、醤油生地のまんじゅうながですって。もろみ醤油を生地に混ぜることで、生地に塩気と芳ばしさが生まれるがいちゃ。生地がしょっぱい分、黒あんの甘さだとクドすぎてしまうから、甘さ控えめの白あんを使われているそうなが。口に入れると醤油の塩気が白あんの甘さを引き立て、なんとも言えない甘じょっぱさがくせになる美味しさなが!大きさも一口サイズとちょうどよくて、パクパクとつい何個でも食べてしまって止まらんがです♪
できたてのこだわり
もろみまんじゅうの販売期間は、10月1日から翌年5月のゴールデンウィークが終わる頃まで。もろみまんじゅうは繊細なお饅頭ながよ。保存料なども一切使っていないこともあるがやけど、もろみ醤油を生地に混ぜているから、どうしても気温が高くなると生地が発酵しやすくなって、傷みやすいんだとか。だから、人気のある商品でも夏場は販売されんがいちゃ。
つぼやさんでは、厳選された素材を使うことはもちろんのこと、できたてのものしか販売しないという、お饅頭にかけるこだわりがあるがです。
「その日に作ってその日に売り切る」今日作ったお饅頭は、次の日には売らんがです。それは、毎日手作りされるできたてのお饅頭をお客さんに食べて欲しいという思いが込められとるがです。
お饅頭は予約販売もされていて、通のお客さんになると、旅館に宿泊される日にお店へ予約して、次の日の朝に、できたてぬくぬくのお饅頭をお持ち帰りされとるがいって。作りたてをお土産にできるサービスが嬉しいちゃね!
土・日曜には、店頭で蒸籠での蒸し販売があるがよ。勢い良く吹き上がる湯気から、蒸籠の木の香りと蒸し上がるお饅頭のいい匂いが一面に広がるのがたまらんのです。人気商品のため、午後には売り切れご免になる場合もあるから午前中が狙い目!蒸したての温かい、もろみまんじゅうを是非味わって欲しいがいちゃ!
取材させていただいたお店・品 | つぼや菓子舗 もろみまんじゅう |
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TEL | 0765-62-1256 |
住所 | 黒部市宇奈月温泉294-3 |
価格 | 1個90円(税込み) |
営業時間 | 8:30〜19:00 〈定休日〉 木曜日 |
備考 | もろみまんじゅうの販売は、10月〜5月ゴールデンウィーク終わりまでです。 |
(2017年01月23日)