田舎にポツンとケーキ屋さん
ケーキハウスミユクさんは、黒部の中心街に昭和61年(1986)にオープンしたケーキ屋さん。その頃ケーキの専門店は珍しくて、富山県内でも2~3軒しかなかったが。黒部では初めてできたケーキ屋さんなんよ。ちなみに、「ミユク」っていう名前は、Milk(ミルク)をもじって付けたんやって。
ミユクのオーナー・松田義昭さんは、最初和菓子職人になろうと思って和菓子屋さんで修業をされとったが。その後、洋菓子の勉強もしたくなって東京の洋菓子の専門学校に進学、卒業後は東京のケーキ屋さんで修業されたんやって。黒部に帰ってきてケーキ専門店を開いた当時は、東京で学んできたオシャレで高級感のあるケーキを作っとったけど、黒部では受け入れてもらえなくて悩んだ時期もあったらしいよ。味には自信があったから、みんなに食べてもらうにはどうすればいいか、いろいろ考えたんやって。それで、誰でも気軽に食べられるケーキも必要だって気付いて、作り始めたのがスフレチーズケーキなが。
理想のチーズケーキを求めて
ふんわりチーズケーキの秘密を探るため、厨房に潜入!まずあったのはたくさんの卵。白身と黄身に分けて、メレンゲとカスタードクリームを作り、サックリと泡をつぶさないように手早く混ぜたら、焼き型に入れてオーブンへ。以前は型にクッキングシートを敷いとったけど、焼いているとき生地が側面にひっかかって、ケーキが十分に膨らまんかったんやって。マドレーヌとかの型では粉と油を混ぜたものを塗っとったから、チーズケーキの型にも試してみたら、生地がくっつかず十分に膨らむようになってふわふわ感がアップ!!
オーブンに入れたら約4時間、温度や設定を変えながらじっくりと焼いていくが。焼き上がったらオーブンから出して、20分ぐらい冷まして粗熱をとって、型からエイッ!って一気に外すと・・・まだ温かいケーキがプリンみたいにプルンプルンするがよΣ(゚ロ゚ノ)ノ そこで完成かと思ったら、ホカホカのまま冷凍庫へ運ばれて急速冷凍。凍らせることで、おいしさを閉じ込めるが。ケーキが凍るとき、ゆっくりだと水分が膨張して食感が変わってしまうから、なるべく短時間で冷凍するのもポイントなんやって。冷蔵庫で自然解凍すれば、チーズケーキの完成☆
上から下までチーズケーキ
チーズケーキってよく見ると底がクッキーとかスポンジケーキになっているのが一般的。ミユクさんもスフレチーズケーキを作りはじめた当初は下にスポンジケーキを敷いとったがやって。でも、このスポンジ部分がないほうが、チーズケーキをもっとおいしく食べてもらえると考えて、10年ほど前から敷くのをやめたそうなが。「全部チーズケーキの方がうれしいでしょ♪」って。上から下まで全部チーズケーキ、ってことで、名前も「まるごとチーズケーキ」にしたがやって。
スポンジを使わないって簡単そうに思えるけど、実は画期的なことなが。焼き上がったチーズケーキを冷やしていくと水分が出てきて、そのままだとケーキがベトベトになってしまうから、水分を吸収するためにスポンジを敷くわけ。ミユクさんはスポンジを使わないことにしてから、余分な水分が出ないように、いろいろと研究を重ねられたがやって。水分を吸収しやすい甘味料とか、低水分の材料を使うことで、スポンジに頼らなくてもしっとりふわふわのチーズケーキが作れるようになったが!
工夫を重ねてたどりついた、チーズケーキ本来のおいしさなのに、昔からの懐かしさも残るこの味わいを堪能してみて♪
取材させていただいたお店・品 | ケーキハウスミユク まるごとチーズケーキ |
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価格 | 1カット 210円 |
TEL | 0765-54-3922 |
住所 | 黒部市三日市3718-4 |
備考 | http://www.miuku.jp 〈営業時間〉 [平日] 9:30~19:30 [日曜日・祝日] 9:30~18:30 〈定休日〉 木曜日・第3、第5日曜日 |
(2012年6月8日)