魚津の名店の発祥
魚津市で和菓子屋さんといえば丸善!と、言われるほど、地元では有名な大崎丸善さん。季節ごとに変わる和菓子はもちろん、他にはない新作アイディア商品がお目当てで、多くのファンを惹き付けるが!
大崎丸善さんは昭和8年(1933)に「丸善菓子舗」として魚津市真浄寺で創業。当時は大福などの和菓子の他に、駄菓子なども扱う本当に小さなお菓子やさんやったそうなが。昭和31年(1956)に魚津の大火で最初のお店は焼失してしまったがやけど、再建して真浄寺でお店を営んでおられたがよ。
和菓子の専門店として吉島店がオープンしたのは平成8年(1997)のこと。現在では連日多くのお客さんが訪れる大崎さんながやけど、オープンした当初は、お客さんがほとんど来られなくて、ヒマだったそうな…。国道からちょっと入ったところにあり、もしかしたらわかりづらい立地だったのかも。そんなある日、一人のお客さんの来店がきっかけで繁盛店になったがよ。
イチゴ大福ありませんか
オープンして間もないのに暇な日々がつづくなか、「イチゴ大福ありませんか?」と、そのお客さんは訪ねて来られたが。今では「イチゴ大福と言えば大崎丸善」と、言われるくらい、大崎さんを代表するお菓子ながやけど、吉島店のオープン当時は作っておられんかったがよ。
イチゴ大福は昭和62年(1987)に大ヒットして、日本中の和菓子屋さんがこぞって作るようになったがやけど、当時の大崎さんは「イチゴ大福なんか…」と、流行を冷ややかな目で見ていたそうな。ながで、「イチゴ大福ありますか?」と、来られるお客さんはたまにおられたけど、「ありません」と、答えると「あぁ、そうですか」と言ってお店を去って行くのがほとんどだったそう。しかしこのお客さんは「ありません」と、答えると、「ないなら作ってください」と言われたがですって。
お客さんの押しの強さにビックリしつつ、「わかりました」と承諾した大崎さん。イチゴ大福なんて簡単。イチゴを餡とお餅で包むだけ。お店にあるお餅と餡でイチゴを包み、お客さんに渡したがよ。
イチゴに当たる
イチゴ大福をお店に並べると、他のお客さんも買いに来るようにはなったものの、大崎さん自身食べてみて「なんか美味しくない」と、悩んだそうなが。簡単だと思っていたイチゴ大福は、作ってみると奥が深く、なんとしても美味しいイチゴ大福を作りたい!と、大崎さんの心は燃えたがよ!色んなお店のイチゴ大福を食べ歩いたり、新聞やニュースを参考にしたりして試作を繰り返した結果、大崎さんの理想のイチゴ大福が完成したが。
それは、大粒でつやがあり、程よい酸味のある美濃娘というイチゴを北海道産の小豆で作ったこし餡で覆い、富山県産の新大正もち米でついたほたほたのお餅で包んだものなが。ちなみにこのお餅も餡もイチゴも、イチゴ大福専用の物を用意しとるがやって。そして最後に生クリームを注入するとできあがり。手のひらサイズの丸いイチゴ大福は、ズッシリと重みがあり、透けるような薄ピンクのお餅は春を感じさせるがよ。
さらに大崎さんのイチゴ大福へのこだわりは、どこから食べてもイチゴに当たるやわらか~いお餅の口触りと、口の中でサラッと溶けるような餡と生クリーム、それとジューシーなイチゴの歯ごたえとのバランスにもあるがよ。そんなこだわりのイチゴ大福やから、口コミで評判になり、暇だったお店が一変。たくさんのお客さんが来られるようになったがやって!
大崎さんのイチゴ大福は季節限定販売ながで、タイミングを逃さんとたべんならんがよ~♪
取材させていただいたお店・品 | 大崎丸善 イチゴ大福 ※1月中旬から3月下旬の期間限定販売 ※2013年の販売は終了いたしました。 |
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価格 | 1個 240円 |
TEL | 0765-22-8858 |
住所 | 魚津市吉島553-3 |
備考 | 〈営業時間〉 9:00~19:00 〈定休日〉 月曜日 |
(2013年03月21日)