入善町の和洋菓子屋さん
扇原清月堂さんは、入善町の中心街にお店を構える昔ながらの和洋菓子屋さん。戦後間もない頃からお菓子作りを始められ昭和28年(1953)に、いまの場所へお店を構えられたがやって。和菓子だけではなく洋菓子も充実したお店で、時代のニーズに合わせたお菓子作りをされとるが。
お店に入ってビックリするのは、品数の多さ。100種類以上の和洋菓子がずらり!どら焼き、大福、饅頭に始まり、サブレにゼリー、ロールケーキに季節の果物がたっぷりのケーキなどなど。お菓子に囲まれた幸せな空間ながいちゃ♪
昔からの味を大切にしながらも、新商品を次々と開発。「これ以上は増やさんといてと、皆にいわれるが(笑)」とおっしゃるのは、2代目の扇原紀昭さん。
町のPRもできればと、平成6年(1994)頃から始めた特産品を使ったお菓子は、地域の方々の手みやげの定番として重宝されとるがよ。
海洋深層水を使った塩スイーツ
たくさんあるお菓子の中でも人気なのが「入善海洋深層水」。砕いたアーモンドと胡桃がアクセントのバタークリームを、ふんわり焼き上げたアーモンドベースのケーキでサンドしたブッセ風の洋菓子。このお菓子には、ある塩が使われとって、食べてみると甘さの中に塩気を感じることができるがいけど、塩辛さはなく、お菓子の甘さを上手く引き立てている絶妙な塩加減ながいちゃ♪
お菓子が作られたのは平成14年(2002)、ちょうど入善町の沖合で、海洋深層水のくみ上げが始まった頃やったが。入善町の海洋深層水から作られる塩には、ミネラル分が多く含まれとるがいって。その塩を活かしたのがこのお菓子やったがよ。その当時、扇原清月堂さんでは、塩を使ったお菓子作りは初めての試みだったそうで、「塩の加減も難しかったが、沢山あるお菓子の中から、どのお菓子が塩と相性が良いか、時代に合っているかを決めるのに時間がかかった」と、扇原さん。開発までに一年を要したそう。
今ではいろんな商品に海洋深層水が使われとるがやけど、このお菓子は、入善町の塩スイーツの先駆け的な存在でもあったがいちゃね!
愛されるお菓子を作り続けて
扇原清月堂さんでは、何十年も続く昔ながらのお菓子も人気ながよ。かわいいたぬきの顔が特徴の「ポンポコ」、爽やかな風味の「レモンケーキ」などなど。昔ながらのお菓子って、時代の流れもあって、作るのをやめてしまうお店も多いそう。扇原清月堂さんでも一時期、レモンケーキの販売をやめたことがあったそうなが。でも、お客さんから「どうしてやめたが?続けて欲しい」といわれたがいって。「それぞれのお菓子にファンがいる。辞めるのは簡単やけど、作り続けたい」と、扇原さんはおっしゃるが。お客さんに喜んでもらえるお菓子作りを大切にしとられるがいちゃね。
お客さんや地域を想う気持ちは、お菓子の名前にも表れとるがよ。「入善ジャンボスイカの里」「じょうべのま」「さわすぎ」「こぶし」など、入善町に縁のある名前を付けられとるが。入善町のことをもっと沢山の人に知ってもらいたい、広めたいと思われとるがよ。
地元の名前が使われたお菓子は、入善町の人達にとっても自慢の逸品になっとるのも納得ながいちゃ☆
取材させていただいたお店・品 | 扇原清月堂 入善海洋深層水 |
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TEL | 0765-72-0267 |
住所 | 下新川郡入善町入膳5490 |
価格 | 1個156円(税込み) |
営業時間 | 8:00〜19:30 〈定休日〉 元日のみ |
(2017年10月27日)