お店の味、ガトーフレーズ
あいの風とやま鉄道魚津駅からほど近い場所にお店を構える「ぱてぃしえ・のっき」さん。昭和58年(1983)4月に創業され、今年で35周年を迎えられた洋菓子店ながよ。創業当時、パティシエという言葉は殆ど世間に浸透しておらず、「パティシエって何け?」と、聞かれることも多かったそう。
お店では、常時20種類ほどのケーキと、毎日焼き上げるパンや焼き菓子など、地元のお客さんのニーズに合わせた商品がずらっと並んどるが。どれも美味しそうで悩むがやど、でもまず食べてほしいのはガトーフレーズながやって♪
ガトーはフランス語でケーキ、フレーズはいちご・・・つまりはショートケーキのことながやね!
小麦粉や卵、砂糖にバター。素材はそれほど多くないけれど、ひとつひとつにお店の特徴が見えてくるがよ。例えば、生クリームにはトレハロースと砕いた氷砂糖の2種類の砂糖を使用。口に入れた時、砕いた氷砂糖の粒子が時間差で溶けて、後からふわっと甘みを出す演出をしとられるがよ。
ショートケーキって、一見シンプルなケーキに思えるがやけど、ショートケーキこそお店のこだわりと技術が分かるケーキながやね。
パティシエへの道のり
「ぱてぃしえ・のっき」のオーナーシェフを務める海原信行さん。東京やフランスでお菓子作りの修行に励み、数々のコンテストで受賞をされてきたベテランのパティシエながよ。そして、県内に本場のフランス菓子を持ち込んだ先駆者でもあるが。そんな海原さんながやけど、実は、初めからパティシエになろうとは思ってなかったがやって!
高校2年生の時、ある事情で高校を退学することに。半ば勘当されるかたちで、故郷魚津を離れ東京へと向かわれたがよ。しかしながら、東京へ行ったものの仕事もなく、住む場所もない状態だったとか・・・それで、寮がある仕事を探し、何とか紹介してもらえたのが浅草にある寮完備の和洋菓子店だったそう。でもそこが、やがてパティシエへとなる海原さんの第一歩やったがよ。
「学歴も経験もない。とにかく時間を見つけてはケーキ作りの勉強をしたね」海原さんは、時間があればケーキ作りに没頭し、仕事終わりには製菓学校の夜間部に通い、ドイツ人の先生のもと、飴細工や飾り菓子の技術も磨かれていたとか。やがてその努力は実を結び、洋菓子のコンテストに出品すればいくつか賞を取るようになり、有名菓子店でスーシェフ(副料理長)を務めるまでになったそう。さらに、職場の先輩からフランスに行ってみないかと声をかけられ、本場フランスでもお菓子の修行を積まれたがやって!
そして、28歳の時、魚津に戻られ「ぱてぃしえ・のっき」を始められたがよ。
加積りんごのアップルパイ
「やっぱり美味いがね。採れたものをすぐにお菓子にできるのは」と、おっしゃる海原さん。
「ぱてぃしえ・のっき」さんでは、地産地消にも力を入れとられ、りんごにブルーベリーなど地元の美味しい食材を使ったお菓子作りでも定評があるがよ。
特に、地元魚津で採れる加積りんごを使ったアップルパイは大人気!中でも、紅玉という種類のりんごは酸味があり程よい果肉の硬さがお菓子作りにはもってこいなが。でも、そのまま食べるには酸味がありすぎて、市場に出てもあまり売れんがで栽培を辞めてしまう農家さんが多いとか。それを海原さんが、「全部買うから2本だけ残しておいて!」と、農家さんにお願いして、紅玉を使ったお菓子を提供され続けとられるがよ。
アップルパイが店頭に並び始める季節は、お店に来られるお客さんの様子を見ながら、パイを焼き上げるそうなが。作り置きせず、常に焼きたてのアップルパイを提供されとるがよ。また、予約をしておけば、その時間に合わせてアップルパイを焼き上げてくれるがで、できたてを持ち帰ることもできるがやって!りんごを使ったお菓子は、りんごの収穫が始まってから在庫がなくなるまでの期間限定なが。8月頃から店頭に並び始めるから、今から楽しみながいっちゃ☆
取材させていただいたお店・品 | ぱてぃしえ・のっき |
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TEL | 0765-24-9377 |
住所 | 魚津市本新町29-3 |
価格 | ・ガトーフレーズ 432円(税込) ・加積りんごパイ(1本) 1836円(税込) ・デコレーションケーキ(4号)2,700円(税込)から |
備考 | 〈受付時間〉 9:00~18:00 〈定休日〉 月曜日 ※月曜が祝日の場合は翌日 |
(2018年6月18日)