今も昔も夏のおやつの定番として、黒部市民から愛されている「水だんご」。
黒部藩で取材させていただいた河田屋さんが2012年をもって閉店されました。
河田屋さんは閉店されてしまいましたが、黒部の食文化の記録として、黒部藩ではこの記事は残していきたいと思います。
夏になると食べたくなる
黒部の夏のおやつといえばコレ! 今年もお世話になりました生地名物「水だんご」。白玉みたいなお団子に、きな粉をかけて食べるがよ。黒部では夏の風物詩やし、お店に水だんごが並ぶようになると、夏が来たなーって思うが。買ってきた団子に付いとる粉を、水で洗い流して食べるから、「水だんご」って言うがやと。昔はどこの家ででも作っとったがやけど、河田屋さんの食べたら、そっちのほうが美味やから、みんな買って食べるようになったが。もちもちっとして、ほんのり甘くて、素朴な味は一度食べたら忘れられんがよ。米の粉と片栗粉で作るがやって。シンプルすぎて、むつかしいことなんも無いがだけど、この味は河田屋さんにしか出せんがよ。
水だんごを作って50年
河田屋さんが水だんごを作るようになったがは、昭和34年(1959)やって。もともと最中の皮とか、お餅とか、赤飯とか作っとらっしゃって、でも、夏になったら餅屋もヒマになるから、それで家で作っとった「水だんご」を商品化したがよ。昭和50年代くらいまでは、米を自分のとこで製粉して、団子を作っとったがやと。普通に食べる米を使うから、そのころのお団子はまた一段とおいしかったって。学校給食にも出とったときあるし、食べるごはんと一緒の米やからね、おやつだけじゃなくて、ごはん代わりに食べるうちもあるらしいよ。「くろべっ子は水だんごを食べて育った」って言っても過言じゃないが。
地元でしか手に入らない
水だんごを作っとられるがは、河田正之さん(80)と和子さん(73)。もともと夏の間しか作っとらんかったけど、平成13年(2001)からは土曜日だけにしたんやって。週に1回、注文のある分しか作らんから、地元でもなかなか買えんかったりするが。お盆のころが一番忙しくて、1日にだいたい700~800パックぐらい作るがやって。夜中の2時とか3時とかから始まって、9時ごろには終了。上新粉(米の粉)と片栗粉を混ぜて、熱湯でこねて、せいろで蒸したら、長く伸ばして一口サイズに切って、冷ましてパックに詰めるが。できたてのお団子はマシュマロっぽくて、並んどる姿がなんだかカワイイ。このおいしさは言葉では伝えられん・・・ので、とにかく、黒部に食べにこられませ☆
取材させていただいたお店・品 | 河田屋 水だんご |
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内容量 | 1パック(250グラム、きな粉付) |
備考 | 取材させていただいた河田屋さんは現在閉店されています。
現在購入できるお店を一部ご紹介します。 |
(2011年9月9日)