海岸で見つけたヒスイの原石
ヒスイ羊かんは、つややかな緑色の羊かんに白く流れるような模様が入った一口サイズの和菓子。朝日町で和菓子店を営む大村邦夫さんは、ある日釣りのため朝日町のヒスイ海岸(宮崎海岸)に出かけたところ、たまたまヒスイの原石を拾ったがだとか。ずっしりと重い、美しい石との出会いから、このヒスイを和菓子にできないかと考えて、銘菓「ヒスイ羊かん」が生まれたがよ。
「朝日町といえばヒスイ」ということで、おみやげにもピッタリ。NHKの番組「美の壺」の「日本の国石 ヒスイ」をテーマにした回で、このヒスイ羊かんが取り上げられたこともあって全国的にも知られるようになったがよ。近隣のおみやげ屋さんなどには置いてなくて、買えるのはこのお店の店頭だけ! わざわざヒスイ羊かん&本物のヒスイを目当てにお店にいらっしゃる方も多いがやって。
やさしい甘さで食べやすく
見た目涼やかなヒスイ羊かんは、やさしく上品な甘さに仕上げた抹茶風味の羊かんと、白くシャリシャリとした歯触りが楽しいお菓子。白い部分は、寒天と砂糖で作る寒氷(かんごおり)でできとるがよ。一個ずつ小さめにカットされて個包装になっとるがで、おみやげでも配りやすいし、切り分けなくてもすぐに食べられるがよ♪
和菓子の世界でも、お客様の好みが時代によって変化しとるがよ。それに対応すべく、大村さんは従来の羊かんのイメージに囚われることなく、甘みを控えたり、やわらかさを調整したり、現代的な感覚も取り入れた形で「ヒスイ羊かん」を完成させたがだそう。
そして誕生以来ロングセラーになっとるということは、変わらないところと変えていくところのバランスが絶妙ながやちゃね。
手作りの自信
ご主人の大村さんにお菓子作りのこだわりを伺うと、「お客様の口に入るものなので、衛生に気をつけるのは大前提として、一番は原材料。安心して召し上がってもらえるものを選びます。うちの菓子は手作りのものが多くて、機械を使わず自分でやっているから間違いのないものを出せると思っています」とのこと。
練り切り(上生菓子)もすべて手作業で、四季折々に美しくて繊細なお菓子が作られとるが。余計なものが入っていない安心感という以上に、ご主人のお菓子作りに懸ける思いの深さを、じかに感じられるがよ。
「どんな小さな仕事でも、丁寧に心を込めて」とおっしゃる大村さん。朝日町の文化や自然にちなんだお菓子作りもされていて、地区のみなさんとの交流も楽しいがやって。お菓子をきっかけに会話が弾み、朝日町のPRにもなっとるってすごいことやよね!
取材させていただいた団体・品 | 大むら菓子舗 ヒスイ羊かん |
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価格 | 1個250円(税込み) |
TEL | 0765-82-0422 |
住所 | 富山県下新川郡朝日町沼保288 |
備考 | 〈営業時間〉 9:00~19:00 〈定休日〉 火曜日 |
(2019年6月13日)