富山の郷土料理
芋かいもちは、もち米と里芋を一緒に蒸し上げ潰して丸めた生地に、小豆やきな粉をまぶして食べる、おはぎのようなお餅ながよ。富山では昔から食べられてきた郷土料理ながいちゃ。
今から350年ほど前、加賀藩のお殿様の命で、現在の石川県小松市の今江町から20組の若夫婦達が下新川地区へ開拓に来られたそうなが。その開拓者達が食べていたとされるのが、この芋かいもちながよ。以来、貧しい時代でも作られつづけ、昭和のはじめ頃までは、黒部川扇状地一帯で農作業の合間や慶弔時のもてなし等でよく食べられとったがやって。
最近は、あまり作られることもなくなってしまった芋かいもちながやけど、その味を今に伝え残しとられるのが、魚津市六郎丸にお店を構える源七さん。昭和59年(1984)の創業以来、芋かいもちを販売されとるがよ。創業者の窪田修一さんが「ばばが作ってくれた芋かいもち」が忘れられなくて、なんとか商品にできないかと思い立ったのがきっかけながだそう。現代人の口にも合う美味しい芋かいもちを作られとるがよ。
柔らかさの秘密は長芋にあり
源七さんの芋かいもちは、里芋ではなく長芋を使っとられるが。長芋を使うことによって、柔らかさと滑らかさが出るがやって。皮を剥いだ長芋は、富山県産のもち米と一緒に蒸し上げられ、塩のみで味付けされるが。美味しい水で育った富山のもち米は、それだけで充分美味しいがで余計な味付けはいらんがよ!そして、ミキサーでこねこねとついていくと、とろ〜んとしたお餅の出来上がり。まぶす餡は、定番の「つぶしあん」、黒ごまの香ばしい香りが食欲をそそる「すりごま」、色鮮やかな「かぼちゃあん」、そして富山ならではの「うぐいすきな粉」。源七さんの芋かいもちは、餡が主張し過ぎないのでしっかりとお餅の味が楽しめ、さらに口に入れた時の柔らかさが癖になるがよ♪
源七さんでは、芋かいもちの他に豆や昆布が入った角もちなども作っとるが。社長の窪田雅之さんに教えてもらったがやけど、キーンと冷えた朝についたお餅は格別に美味しいがだそう。ちょうど1月下旬から2月の寒の頃やから、見逃されんちゃね!
お餅を作って幸せを売る
お餅というと、お正月のイメージが強いがやけど、富山には人生の節目をお餅で祝う文化や風習があるがよ。「誕生餅」に「節句餅」、「針歳暮」等々。お餅文化が根づいた土地やから、もち米の消費量も全国で一番多いがやって!
でも、そんな富山でもお餅を食べる人が段々と減ってきとるそう。「食べる人が少なくなると、作る人も減ってしまう」雅之さんは、このままお餅屋さんが減ってしまうとお餅の文化までも廃れてしまうと危惧しとられるが。
だから、源七さんではお餅を売るだけでなく、お餅の文化継承にも力を入れとられるがよ。家族みんなでお餅をついて、お餅でお祝いをする・・・そんなイベントスペースを作って、お餅と一緒に思い出も提供したいと考えられとるそう♪
そして、お餅の輪は地域にも広がっとるがよ。地元で採れる果物や野菜を乾燥させ、お餅と合わせた魚津ならではの味も作られとるがよ。お餅への情熱が地域も元気にするがやね!
お餅と地元を愛する源七さんの、噛めば噛むほどみんなが幸せになれる美味しいお餅を是非食べてみられ〜☆
取材させていただいたお店・品 | 源七 芋かいもち |
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TEL | 0120-22-4857 |
住所 | 魚津市六郎丸4531-1 |
価格 | ・12ヶ入1パック 324円(税込) ・4ヶ入1パック 648円(税込) |
備考 | 〈受付時間〉 7:00~17:00 〈定休日〉 土・日・祝 〈ホームページ〉 http://www.gensiti.com/ 〈facebook〉 https://ja-jp.facebook.com/imokaimoti/ |
(2018年1月15日)